外観検査の見落とし/見逃しを減らす方法

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この記事では、外観検査の見落とし/見逃し/ミスを減らす方法について解説します。
不良品の見逃しによるクレームなどにお悩みの方はぜひご覧ください。

Tobii Visual inspection solution

外観検査における見落としや見逃しを防ぐ方法として、「なぜなぜ分析」や環境の改善、自動化への移行など様々な方法がありますが、検査の見落としを減らすためには、

● 見落とし/見逃し/ミスが少ない人の技能を明らかにする

● 見落とし/見逃し/ミスをしてしまう原因を探る

ことが効果的です。

見落とし/見逃し/ミスが少ない人とは?

例えば、熟練者やベテランと呼ばれる方です。勤続年数が長く、経験に裏打ちされた技能を持っている方もいれば、勤続年数は短くともカン・コツなどのポイントをしっかり押さえて、見落としや見逃しが少ない方もいます。

そもそも、なぜ熟練者・ベテランは見落としをせず、素早く検査ができるのでしょうか。それは「勤続年数が長いから」「いろいろ知っているから」という回答が聞こえてきそうです。つまり、熟練者の技能には「経験」という要素が必要不可欠になるのです。

熟練者の「経験」を引き出し、技能を明らかにする

熟練者の経験を可視化するために、ビデオを回して、熟練者の作業の様子を撮影することにチャレンジされたことはないでしょうか。ビデオも有効な手段の一つですが、いざ教育に使おうとすると、実際にどこを見ているかがわからず、結果的に技能の見える化につながる示唆が得られず、お蔵入り…というケースを多く耳にします。

そこで、人の視線を計測する**「アイトラッキング」**の出番です。人の「見る」という行動は、無意識かつ無自覚で行われています。

想像してみてください。今日、朝起きてから今この記事を読んでる瞬間までに「何を見て」「どんなことを意識していたか」ご自身の行動や考えを細かく説明できるでしょうか。とてもじゃないですが、無理だと思います。
その道何十年というベテランの技能はなおさら、無意識・無自覚に繰り返している作業を説明するのは難しいのです。これがいわゆる**「カン・コツ」**と呼ばれるものです。

アイトラッキング(視線計測・視線追跡)でできること

アイトラッキングを活用することで、熟練者・ベテランが「どこを」「どのように」見て検査を行っているのかが明らかになります。そのあとで、視線動画を一緒に確認しながら作業を振り返ることができます。
それによって、「見ていた場所」に加えて、なぜそこを見ていたのか、という「理由」を明らかにできます。重要なことは、熟練者・ベテランは、行動の背景に必ず何かしらの理由を持っている、ということです。それを明らかにすることが、アイトラッキングを活用する最大のメリットであり、外観検査の見落とし/見逃し/ミスを減らす第一歩となります。

見落とし/見逃し/ミスをしてしまう原因を探る

熟練者・ベテランのカン・コツを明らかにする方法は、上述した通りですが、見落とし/見逃し/ミスをしてしまう原因を追究することも、非常に重要です。

例えば、経験年数が浅い、またはよく見落とし/見逃しをしてしまう非熟練・若手の方と、熟練者・ベテランを比較したとき、どこに違いがあるのかはっきりと明らかになっているでしょうか。

アイトラッキングを活用すると、熟練者の視線計測と同様に非熟練者・若手の技術も可視化することができ、熟練者との比較ができるようになります。

熟練者同士、熟練者/非熟練者、熟練者/手順書を比較し、検査の共通点や違いを明らかにする

比較分析を行うことにより、熟練者と見ている場所は同じでも、そこを見るタイミングや、時間の長さ、見る順番、見ているときの意識など、様々な違いが明らかになれば、ミスの原因追及にもつながります。

また、無意識で行われている検査技能は、言語化がとても難しく、手順書があったとしても、熟練者のカン・コツは反映されていないことがほとんどです。アイトラッキング分析は手順書の見直しや拡充にも力を発揮します。

アイトラッキングを使った外観検査の見落とし防止にご興味がある場合は、お気軽にお問い合わせください。豊富な事例もご紹介します。

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