安定輸送の実現のために

  • TOBII
  • 5 分

A man is driving a train.

乗務員の安全教育でこんな課題はありませんか?
「現場で見ているポイントを言葉で伝えることが難しく、十分に教育できていない」

多くの乗客を安全に目的地に届けることを使命とする鉄道、バスなどの輸送業に携わる運転手や車掌などの乗務員の方々にとって、安全は全てに優先されます。乗務員には、走行している線路や道路の状況、車両や乗降者の状況を常に確認しながら、決められた時間に安全に運行するための的確な判断力と技能が求められます。

そのためには、確認すべき部分を若手乗務員に具体的に教育していかなければなりません。しかし、実際の運行中や運転中には、熟練乗務員が見ている部分をその場で指摘し、視覚的に共有することは困難です。そのため、指導はどうしても口頭のみになり、なかなか見るべきポイントなどを理解させられないというのが現状です。

今しなければならないことは何か?
「運転時に見るべきポイント、気をつけるべき点を明らかにする」

安全にかつ快適に乗客を目的地まで届ける。そうした安全で安定した輸送を実現するためには、鉄道やバスの運転手や車掌、タクシードライバーが運転時に見るべきポイント、気をつけるべきポイントを明らかにし、なぜそのポイントを見るのか、そのときなぜそのような判断をし行動したのか、その知識はどこから来たのかを言語化し、事故防止、技術向上につなげていく必要があります。

また、昨今は高齢化や労働人口減少の進展とともに、乗務員の高齢化も進んでおり、高齢者にも長く、安全に働いてもらうためには、加齢とともに進む自身の能力の低下を自覚し、意識してもらう必要があります。そこで有効なのが、運転の技能を視線で抽出し、それを教育に活かすことです。

アイトラッキングはなぜ優れているのか?
「見るべきポイントやそのときの判断を見える化できる

アイトラッキングを使えば、乗務員がどこを、どれくらい見ていたのかがわかります、また、その時何を考え、どう判断したのかといった背景をインタビューから抽出します。

例えば、鉄道の車掌の例では、熟練した車掌は、駅停車中にドアを閉める瞬間、ホームとホーム奥を確認する確認用モニターに交互に視線を送り、両方を確実に目視しているのに対し、若手車掌は、視線の多くを自分が直に確認できるホームのみに向けていて、確認用モニターを見たのは一瞬でした。また、熟練した車掌は、ホーム、確認モニターともに、より奥のほうを見ていたのに対し、若手車掌は手前を見ていました。つまり、熟練した車掌はホーム全体を確認している一方、若手車掌は確認箇所が偏っていました。視線を捉えることで、こうした両者の違いを視覚的に共有するとともに、その裏付けとなる知識まで明らかにすることが可能になります。

The red circle represents the train driver's attention point and shows where he is looking.
画面中央の赤丸が運転士の視線を表している

トビー・テクノロジーだからできることとは?
「安全教育で大いに活躍しています

アイトラッキングを用いることで、運転の安全確認技能などを視線で抽出して教育することにより、事故防止につなげることができます。

また、トビーでは調査・分析サービスも行っており、アイトラッキングで得られるデータだけでなく、視線動画を活用したインタビューを実施し、これまで暗黙知として言語化できていなかった技能を形式知化し、より具体的な指導につなげていくことが可能にしています。

実際にある鉄道事業者様では、解析した結果をもとに、視線映像や数値を使用した教育材料を作成し、安全教育に活用。新任車掌養成時の養成場面において、実際に視線移動を撮影し、その場で確認し、ドア扱い時の視線移動や注意配分に関しての振り返りに使用するなど、大きな効果を上げています。

メールマガジンに登録する

アイトラッキングとアテンション・コンピューティングに関する最新情報をお届けします。