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事例

教育期間短縮からDX戦略まで

株式会社クボタ 様

カテゴリー詳細

  • 執筆者

    Tobii

  • 読了時間

    4分

創業1890年から現在に至るまで、食料・水・環境に関わるさまざまな製品を製造するメーカー。国内高度浄水処理施設におけるクボタ処理装置採用率80%、トラクター全世界総生産台数約510万台以上で農機メーカーとしては国内首位。

Customer logo - Kubota

アイトラッキングの活用で、6カ月の技術研修期間を3カ月に半減。さらに、DX戦略にも活用。ユーザー・ニーズの把握や海外工場への水平展開も計画。

背景/課題

新しく配属された作業員のための効果的な技術教育が課題に。

クボタ京葉工場様では、主に水道管に使われるダクタイル鋳鉄管を製造しています。

いうまでもなく、水道は国の重要なインフラです。これを支えるため、クボタ京葉工場様では日々、さまざまな努力を重ねています。

そのような中で、クボタ京葉工場様では、さらなる生産性の向上を目指して生産品目の調整などを行ってきました。これに伴って、従業員の異動もあり、製造現場では、効果的な技術教育のニーズが高まっていました。

Kubota customer story - training/assembly

メソッド/結果

アイトラッキングの導入で、6カ月の技術研修期間を3カ月に。

クボタ京葉工場様では、効果的な技術教育のためのツールが必要だと考え、独自のリサーチを始めました。

トビー・テクノロジーを含む3社からデモ機を取り寄せ、現場での検証を開始したのです。検証を重ねる中で、視線計測と動画で熟練者の作業が「見える化」できるアイトラッキングがより適しているということになり、2021年末にトビーのアイトラッカーを導入しました。

幾つかの工程の中で、特に熟練の技が求められる「第三出荷ライン」と呼ばれる錆止め塗装と検査の工程に、アイトラッカーが活用されることになりました。

この工程では、作業員は管の中を塗りながら、継手の溝の部分が正しく機械で塗装されているかを検査する必要があります。この複雑な作業をアイトラッキングで分析したところ、熟練者はそもそも立っている位置が違うことが分かりました。熟練者は、検査する箇所が見やすいように、管に対して斜めに立っていたのです。さらに、視線計測で、熟練者は、塗る作業をしながら、検査箇所を的確に見ていることが分かりました。これに対して、非熟練者の視線は、検査箇所を正確に見切れていないことも判明しました。

熟練者は、無意識にこの作業を行っているため、言語化が難しく、どう教えていけばよいのか迷うこともあったようです。

Kubota employee being filmed while using eye tracking

しかし、アイトラッキングの視線計測と動画を見せると非熟練の作業員も、熟練者の「匠の技」を理解できるようになりました。

このため、従来、非熟練者が独り立ちするまでに約6ヵ月かかっていましたが、アイトラッキングの活用で3カ月に短縮。スピーディな技能伝承が実現しています。

アイトラッキングをDXにも活用。
ユーザー・ニーズの把握や海外の工場にまで水平展開。

クボタDX推進部様では、年に一度、全事例を発表する「ICTフォーラム」を開催しています。2021年には、トビーの協力のもと、アイトラッキングの活用事例を発表。同フォーラム発表後には各工場でのアイトラッキング活用の水平展開が始まっています。

DX推進部様では、視線データを蓄積していき、標準書に落とし込む準備を進めています。また、集積された視線データを、製造ライン完全自動化のための基礎データとして活用していく計画もたてています。

さらに、フォークリフトの熟練者などの視線を分析して、そのノウハウを解明し、効率性だけでなく安全性の向上にも活用していく予定です。

DX推進部様では、アイトラッキングの分析データは、製造部門だけでなく、製品の設計開発にも活用できると考えています。例えば、トラクターの新機種のユーザー調査では、「乗り心地が良い、悪い」などといった感想が出てきます。これは、ヒアリングだけでは解明することができません。アイトラッキングの視線計測をはじめ「五感」のデータを分析することで、ユーザーの真のニーズが把握できると考えています。

DX推進部様では、今後は、海外の各工場にもアイトラッキングの活用を水平展開していく構想を練っています。

熟練者が何気なくこなしている塗装と検査の作業も、アイトラッキングで計測してみるとしっかりとポイントを押さえて作業していることが分かりました。熟練者自身も言語化できていなかった「カンとコツ」を解明することができました。これまで、教育する側もどう教えていいか分からなかったのですが、アイトラッキングの視線と動画を見せると、非熟練者もすぐに理解することができました。
株式会社クボタ 鉄管製造課 担当課長 稲尾 勝裕様
今後は、製造部門だけでなく、開発部門にまで、アイトラッキングの活用領域を広げていきたいと考えています。また、製造ライン完全自動化に向けての基礎データとしても活用したいと思っています。海外の工場にも、積極的にアイトラッキングの効果を紹介していき、国際的な水平展開を進めていきたいですね
株式会社クボタ クローバルICT本部 DX推進部 DX推進課 谷本 俊介様
Tobii Kubota employees
DX推進部と連携をとりながら、日々現場改善を行っている クボタ京葉工場の矢澤課長、稲尾担当課長、高橋作業長

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  • 執筆者

    Tobii

  • 読了時間

    4分