瞳孔追跡による、ダイナミック歪み補正

概要

すべてのレンズは、ある程度の歪みを引き起こしてしまいます。この点を解決するために、新しいタイプのレンズや、プリワーピングアルゴリズム、静的歪み補正など、さまざまなソリューションがVRヘッドセット用に開発されてきました。しかし、歪みが原因で吐き気を催すユーザーも依然として存在し、それが製品導入に影響を及ぼしています。

現在のソリューションでは、ユーザーの瞳孔が各レンズのスイートスポットに合致していれば問題なく機能します。しかし、ヘッドセットのズレやユーザーの目の動きによって、瞳孔の位置が変化することで生じる、画像の鮮明さの低下、ゴーストやフレアを補正することはできません。

このホワイトペーパーでは、アプリケーションに依存しないコンセプトとして、実際の瞳孔の位置をリアルタイムに検出し、静的な補正から動的な補正に切り替える技術を紹介しています。このコンセプトを実現するために、私たちは3Dの低遅延の瞳孔位置トラッキングを活用し、歪みを補正するために必要な情報をすべての画像でリアルタイムに提供する新しい出力シグナルを開発しました。

ユーザーにとって、動的な歪み補正は吐き気を軽減する効果が期待できますが、それ以上に重要なのは画像の鮮明化です。既存のヘッドセットのユーザー体験を改善し、高解像度ディスプレイの利点を引き出すことができます。