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調査分析サービス リサーチャーインタビュー

自閉症の早期診断-アイトラッキングで未来を切り開く

カテゴリー詳細

  • 執筆者

    Dr. Mirjana Sekicki

  • 読了時間

    5 分

  • 2023年3月21日

Karen Pierce教授は、アイトラッキングを使った画期的な研究で自閉症スペクトラム障害の早期診断を可能にしました。 

Tobii - Karen Pierce

Karen Pierce教授は自閉症スペクトラム障害(ASD)の神経と臨床表現型の第一人者です。Get SET Early Modelと呼ばれる小児科医による早期発見アプローチは、数千人のASD幼児を1歳の誕生日前後の時点で特定し、迅速な治療を受けることを可能にしました。Pierce教授の研究は、早期に発見されたこの集団内でアイトラッキングと脳画像技術を使用して、ASDの行動的および生物学的不均一性の解明に役立つ視線と脳活動の異常なパターンを明らかにしました。 

インタビューについて 

このビデオインタビューでは、Pierce教授の先駆的な研究について紹介します。研究助手として始まり、バイオマーカーを使った革新的な診断方法を考案するという研究が、ASD治療の改善に対する生涯にわたる情熱と献身へと変わったことを話してくれています。 

「私の研究の目標は、すべての子どもが自分の潜在能力を最大限に発揮できるように、自閉症の早期バイオマーカーを発見することです。ほとんどの自閉症児が生後12か月から24か月の間に特定されることが標準的になることを願っています。」 

Pierce教授は、ASDの早期診断で子どもたちがタイムリーに治療を受けられるようにするというビジョンを語り、アイトラッキングによってこの研究を実現したことがこれまでのキャリアのハイライトであると強調しました。 

彼女の研究では、アイトラッキングと脳画像(fMRI)を組み合わせることでASDの幼児における視覚的注意による選好と脳活動の間に顕著な関係があることを明らかにしました。このような複数の生体計測を用いた際に、どのように相互に補完しあっているかについて話し、Tobiiのアイトラッキングの使いやすさにも触れ、学生が簡単に実験を行うことができたと説明しています。 

Pierce教授は、アイトラッキングが短いテストだけでASDの症状を洞察できるという可能性について述べ、重度の症例の早期診断と視覚的注意の個人差に基づいてカスタマイズされた治療を可能にする優れた代替手段であると結論付けました。彼女の発見がもたらす未来は、小児科の診察室で簡単なアイトラッキングテストを実施することで、ASDの治療を受けられるかどうかを従来の診断方法よりも何年も早く親が知ることができるという世界です。 

「私の研究の最大の発見は、アイトラッキングによって自閉症の異なる特徴による分類を定義し、非常に高い精度で診断でき、その後の治療についても多くのヒントを教えてくれることです。」 

最後に、アイトラッキングを始めるにあたっての課題や注意点にも触れながら、これからアイトラッキングを始める方に向けたアドバイスをいただきました。 

Pierce教授のインタビュー動画はこちらからご覧ください。 

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参考文献

Below you can find a selection of recent publications reporting on the work mentioned in the interview, which employed eye tracking technology:

Pierce, K., Wen, T. H., Zahiri, J., Andreason, C., Courchesne, E., Barnes, C. C., ... & Cheng, A. (2023). Level of Attention to Motherese Speech as an Early Marker of Autism Spectrum Disorder. JAMA Network Open, 6(2), e2255125-e2255125.

Wen, T. H., Cheng, A., Andreason, C., Zahiri, J., Xiao, Y., Xu, R., ... & Pierce, K. (2022). Large scale validation of an early-age eye-tracking biomarker of an autism spectrum disorder subtype. Scientific Reports, 12(1), 4253.

Xiao, Y., Wen, T. H., Kupis, L., Eyler, L. T., Goel, D., Vaux, K., ... & Courchesne, E. (2022). Neural responses to affective speech, including motherese, map onto clinical and social eye tracking profiles in toddlers with ASD. Nature Human Behaviour, 6(3), 443-454*.*

Bacon, E. C., Moore, A., Lee, Q., Carter Barnes, C., Courchesne, E., & Pierce, K. (2020). Identifying prognostic markers in autism spectrum disorder using eye tracking. Autism, 24(3), 658-669.

Kwon, M. K., Moore, A., Barnes, C. C., Cha, D., & Pierce, K. (2019). Typical Levels of Eye-Region Fixation in Toddlers With Autism Spectrum Disorder Across Multiple Contexts. Journal of the American Academy of Child & Adolescent Psychiatry, 58(10), 1004-1015.

For more on Prof. Dr. Pierce´s work, please visit the UC San Diego Autism Center of Excellence webpage.

カテゴリー詳細

  • 執筆者

    Dr. Mirjana Sekicki

  • 読了時間

    5 分

  • 2023年3月21日

Research spotlight interviews

このインタビューシリーズでは、研究者たちが、幅広い用途でアイトラッキングをどのように使ってきたかを紹介しています。

Interviewed by

  • Tobii Pro - Dr. Mirjana Sekicki - Scientific Research Account Manager

    Dr. Mirjana Sekicki

    Eye tracking research advocate, Tobii

    I work closely with scientific researchers who use eye tracking in their work. My mission is to create an ever stronger bond between the worlds of science and technology, for the advancement of our collective knowledge and wellbeing.

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