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研究/調査/レポート

「マザリーズ(赤ちゃん言葉)」に注目することが、どのように自閉症の診断に役立つのか?

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    Mirjana Sekicki

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「マザリーズ(赤ちゃん言葉)」とは、幼児に使う話し方のことで、日本では、高いトーンやゆっくりとしたスピード、大げさに抑揚をつけるという特徴がみられます。子どもは幼い頃から、大人の話す言葉よりも、マザリーズを好んで聞いているという研究結果があります。

カリフォルニア大学サンディエゴ校(米国)のAutism Center of ExcellenceのKaren Pierce教授らは、子どものマザリーズに対しての関心の低さがASDの早期発見に利用できることを発見しました。

この大規模な研究では、過去の診断により、自閉症児と他の複数のグループ(何らかのASDの特徴や発達遅延、定型発達、ASDの定型兄弟)との比較が可能になりました。

Gaze-contingencyパラダイムと呼ばれる実験を行い、1つの画面上に、マザリーズで話しかけている映像と交通騒音や音楽とともに動く抽象的な形や数字などの映像の2つを呈示しました。呈示された映像のうち1つを見つめると、自動的に再生され、もう一方の映像に視線を移すと、最初の映像が一時停止され、もう片方の映像が再生されます。

ほとんどの幼児がマザリーズの映像に注目し、参加者全体の23%にあたる過去にASDと診断された幼児はマザリーズの映像への関心が低かったという結果が出ました。著者は、7割以上マザリーズではない映像に注意を向けかどうかが早急な対応が必要なASD児を見分けるための信頼できる指標であるとしています。

このカットオフ値は、偽陽性結果を回避しながら、高い精度でASDを診断します。社会的刺激への注意はASD特性の初期マーカーであるため、今回の実験で検証したような診断ツールは、早期発見とタイムリーな治療開始を支援することができるでしょう。

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