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散歩が近視に与える影響

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  • 執筆者

    Mirjana Sekicki

  • 読了時間

    2分

遠くの物体がぼやけて見える状態である近視は、世界中で増加しています。読書など近距離で物を見る時間が多いと症状が悪化することが知られていますが、屋外で時間を過ごすと症状の進行を遅らせることができます。ただし、これらの効果の理由はまだ完全に解明されていません。

網膜画像は、オンとオフの視覚経路の働きによって脳内で処理されます。これらの経路は輝度のコントラストと視覚の動きに対して異なる反応を示し、その刺激は近視の進行に重要な役割を果たします。 

ニューヨーク州立検眼大学の研究者チームは、読書と歩行がオンとオフの視覚経路に及ぼす影響を調査するためにアイトラッキング研究を実施しました。さまざまな光学条件を持つ被験者を対象に、コンピューター画面上の文書を読むときと歩行中の 2 つの作業中の目の動きをTobii Pro グラスで計測しました。彼らは近視の進行の原因は、オン視覚経路の不十分な刺激によってオン/オフ反応のバランスが崩れることではないかと仮説を立てました。 

その結果、読書中は オン 経路の刺激を減少することを示しました。対照的に、歩行中はオンとオフの両方の経路が均等に刺激されていました。屋外活動は網膜に明るい光を提供し、オン 経路からの視覚反応を大幅に増加させます。さらに、運動視によって引き起こされる網膜像安定化の反射に関与する オン経路を刺激します。したがって、屋外で視覚を使って時間を過ごすことが、近視の進行を抑制するための最良のアプローチである可能性があります。 

この研究ではまた、黒い背景で白い文字を読む場合と、白い背景で黒い文字を読む場合の違いも調査し、黒い背景で白い文字を読む方がコントラストが高まるため、オンとオフの視覚経路をバランスよく刺激できると結論付けています。しかし、このタイプの読書には運動視が欠けていて、近視を改善するには不十分である可能性が高いと考えられます。著者らは、近視の進行を防ぐためには、明るい光、高コントラスト、頻繁な輝度過渡変化、および網膜像の安定化反射を促進する運動視などによる刺激を習慣化することを提案しています。 

Video 1: Example recording from the reading task. Adopted from the original publication.

Video 2: Example recording from the walking task. Adopted from the original publication.

参考文献

Poudel, S., Rahimi-Nasrabadi, H., Jin, J., Najafian, S., & Alonso, J. M. (2023). Differences in visual stimulation between reading and walking and implications for myopia development. Journal of Vision, 23(4), 3-3. April 2023.

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  • 執筆者

    Mirjana Sekicki

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    2分

著者

  • Tobii Pro - Dr. Mirjana Sekicki - Scientific Research Account Manager

    Mirjana Sekicki

    Eye Tracking Research Advocate

    I work closely with scientific researchers who use eye tracking in their work. My mission is to create an ever stronger bond between the worlds of science and technology, for the advancement of our collective knowledge and wellbeing.

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