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幼児は自分が認識している数よりワンランク上の数を把握している

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  • 執筆者

    Dr. Nora Preuss Mattsson

  • 読了時間

    3 min

幼児がどのように数を学ぶかを理解することは、発達心理学において興味深いテーマです。最新の研究では、小さな集合量を数として認識できるようになった幼児が、どのように数を理解し識別するかについて、興味深い発見がありました。

Uppsala Child and Babylabの研究者たちは、2歳半から4歳までの133人を対象に調査・研究を行いました。研究者たちは、子どもたちがどのように量を認識し識別するかを調べるために、Tobii Proのアイトラッカーとソフトウェアを使用しました。

子どもたちには様々なアイテムが1~4つ描かれた画像が同時に2つ呈示され、特定の量の画像を見つけるタスクが与えられました。
「例:(1つの点と3つの点の画像を呈示)点を見て!3つの点は見つかった?」

研究者は数の認識の暗黙的な測定として、最初にどこに見るのかに着目しました。上述の例では、もし子どもが数「3つ」を認識していたら、1つの点ではなく3つの点の画像の方を見るでしょう。

その結果、数の認識をしている子どもは高い確率で正確にターゲットを識別できることが示されました。興味深いことに、「1つ」が分かる子どもは「1つ」と「2つ」の識別は容易にできましたが、「3つ」と「4つ」の識別は苦労していました。

「2つ」以上の数を認識している子どもは全てのターゲットを正確に識別出来ました。この結果は、識別できる数には上限があり、数の認識が部分的である場合は現在の認識レベルより1つ大きい数(knower level +1)に近い数について、おおよそ理解している可能性があることを暫定的に示唆しています。

数字を理解することは、就学準備、学業、など様々な領域の将来に影響を与えるので、早期発達にとって非常に重要です。アイトラッキングは、子ども達が数量を把握しているかどうかを調査するのに最適なツールと言えます。

視線がどこに集中しているかを正確に捉えることで、研究者たちは子どもの数量認知の発達プロセスをより深く知ることができます。

参考文献

Gerbrand, A., Gredebäck, G., Lindskog, M. (2023). Recognition of small numbers in subset knowers Cardinal knowledge in early childhood. Royal Society Open Science 10.

注目の論文

アイトラッキングの最新の研究にご興味のある方はぜひご覧ください。

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  • 執筆者

    Dr. Nora Preuss Mattsson

  • 読了時間

    3 min

著者

  • Tobii employee

    Dr. Nora Preuss Mattsson

    Research Scientist

    Dr. Preuss Mattsson is a research scientist with a passion for advancing research methodologies and practices. 

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