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私はできる!セルフトークの誤った使い方

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  • 執筆者

    Estefania Dominguez

  • 読了時間

    3 min

外部からの干渉を避けて目の前のタスクに意識を集中させ、自分自身に「私はできる!」と言い聞かせた経験はありますか。これはセルフトーク呼ばれ、プロスポーツ界でよく使われるメンタルテクニックのひとつです。何に注意を向け、何を無視するか、選択する能力を高め、注意のコントロールを向上させるために役立ちます。

この研究では、上海と北京の大学の研究者が、騒音とセルフトークが注意制御にどのような影響を与えるかを調査するため、バスケットボール選手の騒音時と静寂時でのパフォーマンス評価をアンチサッカード課題で分析しました。サンプリングレート1200Hzの
Tobii Proスペクトラムで取得した眼球運動データは、正しい試行と正しくない試行を識別し、被験者が画面上の正しい方向にどれだけ早く視線を移動できるかを評価するために用いられ、一方、異なる条件下での認知的負荷を測定するため瞳孔データが用いられました。

被験者らは3つのグループに分類されました:

1つ目のグループは、各試行の前に「私はできる」といった、やる気を起こさせるセルフトークを使うように指示され、2つ目のグループは、各試行の前に「反対を見る!」など指示的なセルフトークを使うように指示されました。3つ目のグループは、セルフトーク戦略を使わないように指示されています。

騒音時では全グループでエラー率が高く、瞳孔径が大きい結果となりました。これは、騒音時の注意散漫が認知負荷を増加させ、注意制御に悪影響を及ぼすことを示唆しています。やる気を起こさせるセルフトークはエラー率を増加させ、指示的なセルフトークは静かな条件下でのみエラー率を減少させる結果となりました。つまり競技中の誤ったセルフトークは、騒音の存在に関係なく、注意力が低下し、結局的に競技のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることがわかりました。

参考文献

Yang, L., Wang, Y. (2023).  The effect of motivational and instructional self-talk on attentional control under noise distraction. PLOS ONE. 18(9): e0292321.

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  • 執筆者

    Estefania Dominguez

  • 読了時間

    3 min

著者

  • Tobii employee

    Estefania Dominguez

    Biometric and Eye Tracking Specialist, Tobii

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