Tobii Pro Spectrum hero shot
Tobii Pro Spectrum/スペクトラム

人間の行動をより深く理解するために

最大1200Hzの速度で視線データを取得する高性能な研究用システムです。固視化研究からマイクロサッカードまで、幅広い研究に対応するスクリーンベースのアイトラッカーです。

概要

幅広い研究へ、高いパフォーマンスをご提供

Tobii Pro スペクトラムは、人間の行動や最も速い眼球運動(サッカード、トレマー、マイクロサッカードなど)のメカニズムを広範囲に研究するために設計された、私たちの最も進んだアイトラッキングプラットフォームです。高いサンプリング周波数でデータを取得しながらも、自然な頭の動きを再現することが可能です。

Tobii Pro Spectrum used for reading research

フレキシブルなセットアップと同期機能

Tobii Pro スペクトラムは非常に柔軟性が高く、様々な研究シナリオや研究デザインに対応することが可能です。このシステムは、付属のスクリーンを使用することも、アイトラッカーのみを使用することも可能で、スクリーン上の刺激と、物理的な物体や人などの実世界の刺激の両方を可能にします。

Baby looking at puppets using Spectrum

フレキシブルなセットアップと同期機能

複数のサンプリングレートを選択することで、固視化研究からデータの粒度や時間的な計測への要求が高い研究まで対応できます。

8ビットTTLポートと正確なタイミングにより、EEG、GSR、ECGなどの外部バイオメトリックデータソースとのシームレスな同期が可能となり、行動の全体像を把握することができるようになりました。

Tobii Pro Spectrum

頭部可動域の広さ

Tobii Pro スペクトラムは、他のどの高サンプリングレートのアイトラッカーに比べ、頭部の自然な動きを問題とせず、サッカード中の正確なデータを提供します。この特徴的な機能により、行動観察や認知においてより深く人を解き明かすことが可能です。さらに、サッカードやトレモア、マイクロサッカードなどの速い眼球運動のメカニズムを対象とした研究も、頭部が拘束されない自然な状態で実験参加者を計測いたします。

Tobii Pro Spectrum

Tobii Pro Spectrum Eye Tracker with Gaze Plot

特徴

信頼できるデータクオリティー

Tobii Pro スペクトラムは、Tobii特許のアルゴリズム、洗練されたハードウェアデザイン、必要なものが全てそろった製品構成で、最高のデータクオリティーを実現しました。このアイトラッカーは極めて正確で優れた眼球の検出能力を持ち、ほとんどの人が実験参加者になることができます。

  • Tobiiの持つ3Dアイモデルによって、広範囲で高精度の視線計測が可能。

  • 2つのアイトラッキングカメラが毎秒1200枚ずつの両眼の眼球画像を取得。

  • 明るい瞳孔照明と暗い瞳孔照明により、目の形、民族、年齢を問わず、優れたデータが得られます。

  • 瞬時に目を検出するので、瞬きや実験参加者が目をそらした時のデータの損失を最小限に抑える。

  • 視線情報を他のデータソースと正確に同期させることができます。

  • 視線だけでなく、瞳孔のデータも同時に取得。

  • 眼球画像(アイイメージ)により視線取得時の実際の眼球の状況の確認が可能。

  • 異なる照明環境下でもトラッキングの堅牢性を維持。

  • The Tobii Pro Spectrum is the best device in the market for our research. We want the equipment to have high resolution but also to be relatively simple to use. The Pro Spectrum is very flexible to multiple settings and can be used for different purposes.

    Marco A. Palma

    Associate Professor Department of Agricultural Economics and Director of the Human Behavior Laboratory, Texas A&M AgriLife, Texas A&M University

くわしく見る

くわしく見る — Tobii Pro Spectrum

軽度認知障害(MCI)におけるサッカード眼球運動の抑制制御と、認知機能障害について

Opwonyaら(2022)は、MCI患者における実行制御障害とサッカードの行動変化について、プロサッカード/アンチサッカード課題、Go/No Go課題を含む4つのサッカード眼球運動のパラダイムで検討しました。Tobii Pro スペクトラムを用いて300Hzで眼球運動の記録をした結果、MCI患者は高い割合で誤ったサッカードを生成し、これらのエラーの多くを自己修正できないことがわかりました。

生理的覚醒が様々な社会的文脈における幼児の視線追従を説明

石川ら(2022)は、心拍数(HR)と眼球運動の測定を組み合わせ、社会的文脈に基づく乳児の視線追従行動の変調が、乳児の心拍数によって媒介されるかどうかを研究しました。眼球運動はTobii Pro スペクトラムで記録され、視線追従試行を識別できるようにしました。その結果、それぞれの社会的手がかりが独立して生理的覚醒を高め、それが蓄積されて乳児の視線追従行動の可能性を予測することが示唆されました。

回避的注意のバイアスに対する、セキュリティ・プライミングの研究。 マイクロサッカードとドットプローブ課題の組み合わせ。

MellorとPsouni(2021)は、プライミング(中立対安全)と愛着回避の機能として、怒った顔と中立の顔に対する注意の警戒の違いを測定しました。600HzのTobii Pro スペクトラムを用いて、ドットプローブ課題中のサッカードとマイクロサッカードを測定しました。愛着回避は、愛着安全プライミングとは無関係に、すべての顔刺激からの注意の非活性化と関連していました。反応時間データとマイクロサッカードは強く相関しており、同様に注意を捉えていることが示唆されました

仕様

技術仕様

以下の表で使用されている用語の定義については、Tobii Connect内にある用語集をご参照ください。

利用可能なデータとデータストリームの完全なリストについては、Tobii Pro SDKドキュメントをご覧ください。

視線データの特性は、精度と正確さで説明しています。詳細については、Tobii AcademyのAccuracy and precisionの動画をご覧ください。

アイトラッキング技術

2台のカメラで両目を撮影、視線や3D空間での目の位置、瞳孔径を正確に測定します。 イルミネーションモードは暗瞳孔法・明瞳孔法の2タイプ。

アイトラッキングモード

霊長類のグループごとに異なる3つのアイトラッキングモード ヒト サル 類人猿)

サンプリングレート

60、120、150、300、600、1200Hz(最大周波数はハードウェアのバージョンによる)

精密度

0.01° RMS¹ 最適条件下(テストレポートに記載された設定値でSavitzky-Golayフィルタリングを適用) 0.06° RMS¹ 最適条件下(生信号)

正確度

最適条件で C50.3°¹

両眼アイトラッキング

Yes

アイトラッカーレイテンシー

レイテンシーの平均< 0.2 ms(1200Hz)² 

瞬きからの復帰時間

1フレーム(瞬時)

ロストからの復帰時間

150ms以下 

各々の眼からのデータ・アウトプット

タイムスタンプ 
眼球位置 
視点位置 
瞳孔径 

眼の開閉度のデータストリーム

目の開閉度のデータは視線データと同じタイムスタンプで取得され、左右別々にミリメートル単位で出力されます。

アイイメージ

出力されるアイイメージの周波数は10Hzです。(両眼で1画像)トラッキングモードでは眼球画像が拡大され、リカバリーモードではフルフレームのカメラ画像になります。 

TTL入力

8ビットのタイムスタンプ付きデータ(256イベントコード) 
50 µsのタイムスタンプ精度によるイベント駆動型検出 

タイムスタンプ同期

アイトラッカーとクライアントコンピュータ間で100µsの精度で統合されます。

ユーザーキャリブレーション

両眼、単眼

¹Tobiiは、広範なテスト方法を使用して、データのパフォーマンスと品質を測定および報告します。詳細については、データ品質テストレポートをダウンロードしてください。霊長類モードでのデータ品質については、営業担当者にお問合せください。²Tobii Pro Spectrumの性能を最適化する方法については、Tobii Connectをご覧ください。注:こちらの性能は、ファームウェアv.2.2.3およびTobii Pro SDK v.1.9以降が必要です。

頭部可動範囲

素晴らしい デュアルカメラシステムは、1カメラシステムと比較し、より正確な計算が可能で頭部の動きに対して最高レベルの精度とロバスト性を実現します。

計測距離 (画面に取り付けられています)

アイトラッカーから55 ~75cm

頭部可動範囲

アイトラッカーから65cm 幅34x高さ26cm

アイトラッカーから75cm 幅42x高さ26cm

最適な画面サイズ

24インチ(アスペクト比16:9) 

推奨モニター

付属の23.8インチモニター 

セットアップオプション

アイトラッカーユニット単体でも、モニターや他のスクリーンと組み合わせても使用可能です。
スタンドなどを使用すればさらに大きな画面や物理的なオブジェクトを対象にすることができます。

ソフトウェアとフレームワークの互換性

Tobii Pro Lab 
Tobii Pro Eye Tracker Manager 
Tobii Pro SDK 
Tobii Pro SDKをベースに構築された全てのアプリケーション 

オペレーティング·システム

Windows, macOS, Linux

ハードウェアのバージョン

300 Hz 
600 Hz 
1200 Hz 

サイズ(長x高x幅)

アイトラッカーはスタンドに取り付けられていますので、接地面から約9cm高い位置にあります。

重量

5.1kg(電源ユニットを含む重量5.7 kg)

コネクタ

TTL入力 8ビット(DB-9コネクター)  
通信 イーサネット (RJ-45コネクター)  
電源 DC24V(5.5mmコネクター) 

アイトラッキング処理

アイトラッカーユニット内で処理

アイトラッキングカメラ

2

イルミネーター

暗瞳孔法 明瞳孔法 

消費電力

通常の消費電力 60 W  
最大定格消費電力:96W 

電源オプション

入力 AC100~240V 50/60Hz
最大定格消費電力 120 W
待機電力 <0.15 W
エネルギー効率レベル VI
EISA 2007/DoE、NRCan、AU/NZ MEPS、EU ErP、CoC Version 5に準拠

モニターモデル

EIZO FlexScan EV2451 

パネルの種類

IPS、LEDバックライト 

画面サイズ(対角)

23.8''

重量

3.8kgマウントを含む 

アスペクト比

16:9

解像度

1920 x 1080 ピクセル 

画面応答速度

5 ms (Gray-to-gray) 

接続

DVI  
VGA  
HDMI  
ディスプレイポート  
モニターコントロール用1ポート(USB3.0)  
2ポートUSBハブ(USB 3.0)  
C13電源コネクタ  
オーディオ入力コネクター 3.5 mm  
ヘッドホン端子:3.5mm 

スピーカー内蔵

1.0 W + 1.0 W

電源

100-240 VAC 50/60 Hz 

電源

最大定格消費電力 42 W  
標準的な消費電力 13 W  
パワーセーブモード: 0.5 W 
電源管理 :省電力(VESA DPM、DisplayPort -Rev
1.1a、およびDVI DMPM)

Tobii Pro Spark/スパークTobii Pro Fusion/フュージョンTobii Pro Spectrum/スペクトラム
精密度0.26° RMS (最適な条件下でのRMS) (テストレポートに記載された設定値でSavitzky-Golayフィルタリングを適用)最適条件で 0.04° RMS¹ (テストレポートに記載された設定値でSavitzky-Golayフィルタリングを適用) 最適条件で 0.2° RMS¹(生信号)最適条件で 0.01° RMS¹ (テストレポートに記載された設定値でSavitzky-Golayフィルタリングを適用) 最適条件で 0.06° RMS¹(生信号)
正確度 0.45° (最適な条件下において) 0.3° 0.3°
頭部可動許容範囲 高品質なシングルカメラシステム両眼カメラ 両眼カメラ
推奨スクリーンサイズ 最大27インチ (16:9 アスペクト比)24インチ 24インチ
頭部可動範囲 65cm の場合(左右どちらかの眼) 幅x高さ:35 cm x 35 cm40 × 25cm 34 x 26cm
幅×高さ@ヘッドボックス後方(左右どちらかの眼) 幅x高さ:35 cm x 35 cm以上45 x 30cm @80 42 x 26cm @75
計測距離 45 ~ 95 cm50-80cm 55-75cm
セットアップオプション三脚などを使用すればさらに大きな画面や物理的なオブジェクトを対象にすることができます。三脚に取り付けられたトラッカーは、さらに大きな画面や物理的なオブジェクトを追跡することができます。(a) スクリーンとアイトラッカーを一緒に設置した場合 (b) スタンドアローン型アイトラッカー (c) トラッカーとスクリーンを任意の標準的なVESAマウントにマウントしたもの (d) 外部モニターと併用したアイトラッカー
¹Tobiiは、データのパフォーマンスと品質を測定し、レポートするために、広範なテスト手法を使用しています。詳細については、データ品質テストレポートをダウンロードしてください。
4 set up modes of Tobii Pro Spectrum

透明性の高い品質チェックメソッド

スペクトラム の高いデータ品質は、徹底したテストによって確認されています。環境条件の系統的な変化から、多数の個人を対象としたアイトラッカーの性能の一般的な評価まで、十分に文書化されたテスト方法を使用しています。

カメラのフォーカスや各ユニットのキャリブレーションなど、製造プロセス全体を通じて品質管理を行うことで、研究における一貫した再現性を保証しています。複数の製品認証により、品質およびユーザーの安全性要件が満たされていることが保証されています。

シンプルで独創的なデザイン

アイトラッカーは、付属のトラベル ケースに完全に組み立てられた状態で出荷され、カメラやレンズなどのセットアップを手動で設定する必要はありません。研究者は、被験者の迅速で安定したキャリブレーションに依存し、研究のために達成した被験者を生産的に追跡できます。

  • 実際の空間中の物体を対象とした設定にも対応

  • VESA規格でアームやテーブル、壁などにも設置が可能

  • 実験参加者の身長に合わせて簡単に調節が可能

システム構成

構成機器

アイトラッカーユニット

付属のディスプレイで使えるのはもちろん、他のディスプレイやアイトラッカー単体でリアルワールドでの使用も可能です。

Tobii Spectrum eye tracker component

ディスプレイ

着脱可能な付属の24インチディスプレイは画面上に視覚刺激を呈示して計測が出来ます。クリティカルなタイミングでの刺激呈示が可能な厳選されたディスプレイです。

5ms未満の少ない誤差での刺激呈示はタイミングが重要な研究に適しています。178度の視野角を持つIPSパネルは、対象が画面上のどこに呈示されるかに関わらず、安定した実験を行うことができます。

Tobii Pro Spectrum hero shot

ダウンロード

ダウンロード

使用分野

Tobii Pro Spectrum
心理学・神経科学

心理学および神経科学の研究

眼球がどのように動き、どんな情報を視界から得て、脳や心理に影 響を及ぼすのか明らかにします。脳波や脳血流、心拍など他の生体 計測との組み合わせによって、より深い分析・幅広い研究が可能に します。

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Child playing with puzzle pieces
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発達心理学

アイトラッキングは、言葉が話せない幼児がどのように発達するのかを研究するのに活用できます。

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Woman looking at CT scans
学術研究

臨床研究

臨床研究の領域でも、アイトラッキングの活用例が増えています。眼球疾患や自閉症スペクトラム障害(ASD)、ADHD、パーキンソン病などの精神・神経疾患の研究に使用されています。

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お問合せ

以下のフォームにてお問い合わせください。お急ぎの場合は、以下にご連絡ください。03-6420-3990

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