アイトラッキング調査では、画面の活用 パターンによる違いが、勘やイメージでは なく、データとして明確に出せたのがよかったと思います。 既存のアンケートデータ、Pos/ID-posデータに加え、迫力あるデータを得ることができ、クライアント様からも『最先端の調査をされている』と高い評価をいただいています。次に生かせる結果が出て、とても良い取り組みでした。株式会社ゲート・ワン ブランドソリューション本部 カスタマー&マーケットナレッジ部 プランナー 木村 悠貴様
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事例
FamilyMartVisionのメディア価値をさらに高めるために アイトラッキングを活用
株式会社ゲート・ワン様
複数の画面活用パターンがあるFamilyMartVision。株式会社ゲート・ワン様では、 視線調査で各パターンの特性を見極め、メディアの効果をさらに高めています。
■これまでのアンケートに加えて視線データで、さらに効果的な活用を計画。
小売業界では、今、「リテールメディア」に注目が集まっており、コンビニ大手の3社では、それぞれ三者三様の取り組みをしています。
そのなかで、ファミリーマート様では、レジカウンターの上部に3面のデジタルサイネージを並べたFamilyMartVisionを設置し、配荷・非配荷(コンビニに商品がない)問わない広告と共に独自のコンテンツを配信するという、最先端の取り組みをされています。
このFamilyMartVisionを運営しているのが、株式会社ゲート・ワン様です。
企業やブランドの広告やキャンペーン情報だけでなく、同社では、来店したお客様に、
楽しい店舗体験を提供していくために、「番組コンテンツ」と呼ばれる独自のコンテンツを企画・制作されています。
「番組コンテンツ」には、アーティストの情報などのエンタメ系コンテンツ、さらには、ファミリーマートのプライベートブランドの商品情報などのコンテンツが含まれており、来店客に楽しく役に立つ 情報を提供しています。
FamilyMartVisionは、国内のファミリーマート16,235店舗(2024年6月30日時点)のうち、約10,050店舗(2024年6月30日時点)に導入されており、設置店では実際に売り上げの増加が見られています。
株式会社ゲート・ワン様では、アンケート、Pos/ID-Pos、AIカメラデータを保有・検証しています。特にアンケートは 、ファミペイアプリのアンケート機能を通じて、広告認知や購入意向などの「意識変容データ」を収集してきました。
FamilyMartVisionでは、3面のディスプレイの使い方で、主に4つの活用パターンがあります。
(a) ダイナミック 3画面を横長に一つの画面とした動画
(b) 真ん中静止画/左右動画
(c) 真ん中動画/左右静止画
(d) 3面同一動画
「意識変容データ」では、4つの画面活用パターンごとに効果に差異が見られていました。
同社では、これらの「意識変容データ」からさらに踏み込んで、視線の動きから、画面 活用パターンの効果の差異を理解し、3画面のより有効な活用方法を明らかにするために視線計測と分析を行うことを計画されました。
ご担当者は、もともとリサーチ会社のご出身で、Tobiiのアイトラッキングをご存じで あったため、すぐに導入を決断されました。
●「グラス3」で、98名の被験者を対象に12種類のクリエイティブを視線調査。
Tobiiのウェアラブル型アイトラッカー「Tobii Proグラス3」を使って、20代から50代の男女、98名にご協力いただき、アイトラッキング調査を行いました。
被験者には、一人ずつ12種類のクリエイティブを視聴してもらい、2日間かけて調査を行いました。
■4つの画面活用パターンの特性が分かり、さらに効果的なクリエイティブ制作へ。
今回の調査では、人の視線は真ん中と動きのあるものに向く、ということが明らかになりました。
真ん中の画面には、無意識に視線が向き、動いているものにも視線が動いていました。
さらに、冒頭の数秒間は画面状況を理解するために、3画面全体に視線が動いていることが分かりました。
最初は真ん中から視線がスタートし、動きのあるものに視線を取られながらも、画面全体に視線を走らせ、画面状況が把握できたあとは、動画に視線が落ち着く、というのが典型的な視線の動きでした。
具体的には、4つの画面活用パターンではそれぞれ以下のような視線の動きが見出されました。
<ダイナミック>
3画面を一つの画面として見るため、画面の動きに合わせて横断的に視線が幅広く動く。
<真ん中静止画/左右動画>
真ん中と左右どちらかを合わせた2画面に視線が落ち着く。視線は動画と静止画を行き来するが、視線の量は動画が多い。
<真ん中動画/左右静止画>
視線の多くは真ん中の動画に集中。静止画面に視線が動くこともあるが、その視線の量はかなり少ない。
<3画面同一動画>
どの画面を見ても同じであるため、ほぼ真ん 中の画面に視線が固定される。
これまで、FamilyMariVisionの4つの画面活用パターンについては、クリエイティブごとにPOSデータなどを参照して評価を行っていました。
今回のアイトラッキング調査によって、各活用パターンの特性が数値化され、目的に応じた活用パターンで、クリエイティブ制作に対するヒントを得ることができました。
株式会社ゲート・ワン様では、クライアントの皆様に、今回の調査結果をもとに、さらに効果的なクリエイティブの提案や制作提言を行っています。
これまでのアンケートによる「意識変容データ」に、今回、新しい武器として視線データが加わり、同社では、「さらに厚みのある、説得力のあるデータをそろえることができた」と高く評価されています。
同社では今後、AIカメラと組み合わせて、サイネージの画面側から来店者の視線を追うことはできないかなど、視線データの将来的な活用も研究していきたいと構想を膨らませています。
執筆者
Tobii
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5分
タイプ
製品
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