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事例

UIUXの向上により加入率の向上を目指して、 第一スマート少額短期 保険様がアイトラッキングを活用

第一スマート少額短期保険株式会社

第一スマート少額短期保険様では、グループ企業である第一生命テクノクロスの提案に より、アイトラッキングを活用したPoCを通じて医療保険のLP(ランディングページ)における改善ポイントを明らかにし、加入率の増加を目指しています。

Daiichi life logos

■LPからの離脱率を減少させるために、改善点が分かるUI・UXのツールを リサーチ

第一スマート少額短期保険様は申込みから保険金の支払いまで、全てデジタルで完結する顧客体験を提供しており、ミレニアル世代やZ世代の方々が「自分らしい」ライフスタイルを応援できるような保険商品やサービスを提供することを目指しています。

同社では、「初めて医療保険の加入を検討し、リーズナブルに備えたい Z 世代」や、「保険は難しい・分からない・面倒、といった理由で加入を敬遠してきたユーザー」の ニーズに応え、医療保険「みまもリスク」を2023年9月に発売しました。同社では、 主に、Web上の広告から、LPに誘引する販売導線をメインにお客さまに商品を案内しています。

同社のLPでは、お客さまが「みまもリスク」を検討するにあたって、必要な情報(保険料の目安、保障内容の説明、申込時の注意事項など)をLPの上部に掲載するとともに、「申し込み」ボタンを目立つ位置に配置するなど、お客さまが検討しやすいLPを目指し、稼働後もCVRの状況やヒートマップツールを活用するなどしてPDCAを回していました。

そのような中、同社では離脱率の減少をさらに進めたいという思いから、よりユーザー 目線に立ち、より具体的な離脱要因を明らかにして、LPの改善に繋げられないか検討をしていました。

そのような折、第一生命のDX・イノベーションを推進するイノベーションラボでの調査研究に参画をしている第一生命テクノクロスの担当者からアイトラッキングを活用したPoCの提案がありました。

同担当者は、「日本認知科学会(JCSS)」の学会に参加し、Tobii社のアイトラッキングの存在を知りました。同社の学術研究分野においての論文の豊富さや、複数企業でのアイトラッキングの活用事例があることを受け、担当者は、同サービスによるUXを検証する目的で何かPoCを企画できないか検討を進めていたところでした。

その提案を受けた第一スマート少額短期保険様は、早速Tobii社から説明を聞き、デモを確認したうえで、アイトラッキングを活用したPoCを実施することを決定しました。

■「グラス3」でLPを見ているときの視線を計測し、スマホ操作の様子も撮影。

PoCは、25~35歳の男女6名が参加し、Tobiiのウェアラブル型アイトラッキング製品「Tobii Proグラス3」を使って行われました。

被験者には、実際にスマホで「みまもリスク」のLPを閲覧し、その視線を計測するとともに、スマホを操作する様子も撮影しました。

その後、視線データと映像を見ながら被験者にインタビューを実施しました。

インタビューでは、被験者が見ていた画面上の要素についての印象や、操作の手が止まった場所での感想など、被験者の無意識の行動の背景を聞き出していきました。

これらのデータを統合し、分析することで、LPの改善ポイントを明確化できないか検討を進めました。

■数多くの「気づき」を数値化し、データで示すことで説得力が強まる。

調査結果は、多くの新しい「気づき」をもたらしてくれました。

たとえば、複数存在する「申し込み」ボタンのうち、一部があまり見られておらず、申し込みにつながっていないことが分かるなど、改善が必要なポイントを明確化することができました。

具体的な「気づき」は以下の通りです。

(1) 画面全体の見られ方について

・トップと数値情報を除き、ほとんどの要素は2~3秒程度しか見られていない。

・画面に余白があるかどうかに関わらず、視線は画面中心の50%(中心から左右25%づつ)の範囲に集中している。

・上下方向についても画面の上下端はほとんど見られていない。

・LPの冒頭部分の閲覧に視線が集中する傾向があるため、LP中盤以降に配置された保険料や保険金の説明部分に注意が払われにくい。

(2) 個別コンテンツの見られ方、印象について

・「リスクずかん」は、数値に視線が集まっている。

・「リスクずかん」のリスク事例が自分事化されず、保険加入の必要性につながっていない。

・注意事項や説明文など、文章を読む必要がある箇所であっても、横方向の視線の動きがみられず、読み飛ばしされている。

・タップ可能だと理解されておらず、遷移につながっていないリンクがある。

DLTX_case study

こうした「気づき」が数値化され、データで示されたことで説得力が増し、LP改善の施策の一助となりました

この成果を第一生命グループ内で共有したところ、グループ各社でアイトラッキングの導入に向けた検討が行われています。

今回のアイトラッキング調査では、新しい 技術に触れられる機会に、ワクワクする気持ちがありました。今回のPoCを通じて漠然としていた課題がデータにより証明されとても有益であったと感じています。今後はアイトラッキングを通じて、第一生命グループ全体のUIUXが向上できるとよいと思います。
第一生命テクノクロス株式会社 DX企画本部 DXデザイン企画部 デザイン企画グループ 統括マネジャー 松浦 亜紀 様
私自身、LPについては、改善の余地があるのではないかと肌感覚では持っていました。 今回のアイトラッキング調査で、改善ポイントが数値化されたので、説得力を持ってプレゼンすることができました。アイトラッキングの解析ツールは、初心者にも非常に分析しやすいツールで、UIUXや顧客体験の向上に今後も心強い武器として使っていきたいですね。
第一生命テクノクロス株式会社 DX企画本部 デジタル企画部 イノベーション推進グループ 月田 諒弥 様 
  • 執筆者

    Tobii

  • 読了時間

    5分

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