Woman experiencing vertigo

事例

アイトラッキングとVRでめまいの診断と治療に革新を起こす

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  • 執筆

    Maggie Ma

  • 読了時間

    6分

慢性疾患と付き合うことは、個人の生活の質に大きな影響を与えます。めまいはそのような疾患の一つであり、しばしば深刻な被害を与える一方で、一般的には誤った理解をされています。めまいは、立ちくらみとぐるぐる回っているような感覚を特徴とし、不快なだけでなく、身体的な衰弱をもたらします。めまいがあると、歩行や運転のような単純な作業でさえも困難になり、移動が制限され、自立心の喪失を引き起こします。

めまいは決して特別な健康問題ではなく、実際、成人の多くが罹患しています。UCSFによると、アメリカでは成人の40%近くが生涯に一度はめまいを経験しています。同様に韓国でも、40歳以上の人口の4分の1が過去1年間にめまいか身体のふらつきを経験したと報告されており、その内5%近くが3ヶ月以上慢性的に苦しんでいます。
(Kim, Song, Lee, Kwon & Jeong, 2022).

また、被害をもたらすのは身体的症状だけでありません。多くの人にとって、まためまいが起こるのではないかという絶え間ない恐怖が不安感やうつ病を引き起こし、さらに、他人からはなかなか気づかれない症状であることへの苛立ちが、精神的な負担を大きくします。めまいは肉体的にも精神的にも大きなダメージを与えるため、効果的な治療法を見つけることが最も重要です。

ソウルを拠点とするNeuroEars社は、VRにおけるアイトラッキングの機能を活用し、神経学的疾患の先進的なデジタル診断や治療法を開発しています。同社は2021年の設立以来、世界的な病院や大手技術プロバイダー、研究所とパートナーシップを築き、急成長を遂げています。NeuroEars社はわずか2年で、現在のめまい診断や治療に代わる、手頃で効果的な選択肢を提供するというミッションに向けて走り出しました。

NeuroEars - Patient exam
画像提供:NeuroEars社

めまいと診断の難しさ

バランス感覚は、目、知覚神経、内耳からの複合的な情報によって成り立っています。  内耳は重力や前後の動きを感知するのに役立ち、外眼筋と密接につながっています。内耳内の前庭器官は、頭部の運動時に視線を安定させる眼球運動を発生させ、前庭眼球反射(VOR)を形成します。[ST1] 前庭経路に障害がある場合、VORが正しく機能しなくなり、頭部回転時の眼球運動に異常が生じ、めまいや立ちくらみの症状が起こる可能性があります。興味深いことに、小脳や脳幹(中枢前庭系)の虚血性脳卒中は、特定の姿勢や環境において眼振(眼球の不随意運動)を引き起こす可能性がり、医師はめまいの根本的な原因を特定するために眼球運動を調べる必要があります。

Mayo Clinic human ear vertigo illustration
画像提供:Mayo Clinic

NeuroEars社のCTOであり、翰林大学医療センター耳鼻咽喉科の教授であるSungkwang Hong博士は、現在の前庭診断装置は一般的にハードウェアベースであり、それらは非常に高価で、医師が専門的な解釈を得ることは困難であるとしています。さらに、前庭診断装置は暗い部屋に設置しなければならず、評価のための追加機器も必要となります。そのため、現在のめまいの診断方法は、多くの診療所にとって手の届かないものとなっています。

アイトラッキングによる診断の画期的な進歩

VR技術アイトラッキングの組み合せにより、診断プロセスを簡素化するだけでなく、コストを削減し、特殊な機器や専用の評価スペースが不要になりました。

Tobii is a leading company in eye tracking, with years of experience and expertise gained through extensive research and development. The technology meets the high accuracy and fast response time requirements necessary for medical device certification.
Dr. Sungkwang Hong, CTO, NeuroEars, Inc., and Professor, Department of Otolaryngology, Hallym University Medical Center

診断からリハビリテーション、そしてその先へ

めまい、立ちくらみ、難聴が人々の生活の質に与える様々な影響を考慮することで、NeuroEars社は診断に留まらず、包括的なソリューションを提供してきました。国内市場初のめまいリハビリ医療ソフトウェアであるNeuroEars-Theraの発売は、重要なマイルストーンとなりました。VR技術、アイトラッキング、AIベースのアルゴリズムを統合したNeuroEars-Theraは、没入型でパーソナライズされた治療アプローチにより、めまいリハビリテーションに革命を起こすことを目指しています。

NeuroEars社は、めまい診断と治療の世界基準となることを目標としています。彼らの絶え間ないイノベーションへの取り組みは、近日発売予定の、眼球運動分析を活用してめまいの診断に不可欠な情報を提供する、AIが搭載された診断アシスタントソリューション「Diago」の開発にも表れています。NeuroEars社は今後、めまい医療における専門知識を生かし、耳鳴りや認知障害など他の神経学的疾患への応用も計画しています。

NeuroEars products
画像提供: NeuroEars社
Validation of performance through test data and research papers has also been a great help in our decision-making process. Additionally, Tobii’s compatibility with high-spec HMD product from a reliable manufacturer we desired was also a crucial factor in our selection.
Dr. Sungkwang Hong, CTO, NeuroEars, Inc., and Professor, Department of Otolaryngology, Hallym University Medical Center

フランスの著名な外科医Alexis Carrel氏はかつて、「生命の質は生命そのものよりも重要である」と語っています。VRとアイトラッキング技術の統合のようなデジタル・ヘルスケアの進歩は、病気の診断と治療を支援する新たな希望をもたらし、最終的にはより大きな幸福感をもたらします。

NeuroEars社は、韓国市場で急速にその地位を確立し、わずか6カ月で国内市場シェアの20%を獲得して一気に注目を浴びました。AI診断支援プログラムの開発を完了させ、2024年に50%、2025年には70%の市場シェア獲得を目指しているとHong博士は語っています。さらにNeuroEars社は韓国市場だけにとどまるつもりはなく、すでに世界市場への参入の道を切り開いています。

このような革新的なソリューションが専門的な市場で急速に開発され、普及し、受け入れられていることは素晴らしいことです。  NeuroEars社のようなソリューションは、医療をより身近なものにするのと同時にその質を高め、より多くの人々が新たな生活の質を発見できるようになります。

NeuroEars社のソリューションについてご興味のある方は、LinkedInまたはNeuroEars, Inc.を通じてSungkwang Hong博士にお問い合わせください。

Dr. Sungkwang Hong through LinkedIn

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Person wearing an XR device with separate data streams for left and right eyes

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    Maggie Ma

    Head of Marketing, XR, Tobii

    As the head of marketing for the XR segment at Tobii, I get to tell amazing stories about our eye tracking sensor technology and how it is put to good use in VR and AR. I get inspired by the innovations that enhance understanding of ourselves, break the physical and financial barriers, help address incurable diseases, and fuel curiosity to explore new frontiers. It feels great to connect the magic of technology with the need of the users.

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