Road traffic study

事例

制御室オペレーターにアイトラッキングを活用

カテゴリー詳細

  • 執筆者

    Tobii

  • 読了時間

    4分

バーミンガム大学は、様々なセンシング技術で得られたデータや履歴データを基に、オペレーターがどのように意思決定を行い、どのように交通制御のタスクを実行しているのかを調べるためにアイトラッキングを利用しました。 

道路や高速道路の円滑な流れを維持するオペレーターは、複数の情報源から同時に送られてくる複雑な情報をどのように処理しているのでしょうか。 

バーミンガム大学の電子・電気・システム工学科のNeil Cooke博士、Sandra Starke博士、Chris Baber教授は、Tobiiのウェアラブル型アイトラッカーを使用して、交通管制室のオペレーターが「落下物」を管理する際の意思決定方法を評価しました。この結果は、ヒューマンファクター評価におけるアイトラッキングの価値を明確に示しています。 

背景 

アイトラッキングによって、実際にどのように視覚情報を得ているのかを、直接測定して分析することができました。この情報は非常に重要です。なぜなら、交通管制室では、オペレーターの状況認識が慣れによるものである可能性があるためです。アイトラッキングは、より正確で効率的なオペレーターのパフォーマンスをサポートするために、ユーザーインターフェースに関して研究し、適応させるための手段を提供します。 

この研究では、社会ネットワーク分析に基づく視線追跡メトリクスを使用して、複雑な環境における人間の行動がどのように理解されるかが説明されています。 

オペレーターの視線データを収集したところ、下に示すヒートマップからもわかるように、オペレーターがどこに最も注意を向け、それがどのように変化しているかが明確になりました。その結果、日常的なタスクにおいては、オペレーターは事故報告画面と道路網の地図(ヒートマップの赤い範囲)を見ており、CCTVの映像(および映像を操作するためのジョイスティック)にはあまり注意を払っていないことが明らかになりました。

この研究の目的は、交通管制室のオペレーターが複数の情報源をどのように処理しているかを明らかにすること、オペレーターが情報源をどのように活用しているかを分析すること、そして、タスクを遂行しながら事故に対応する際のオペレーターの戦略を見ることでした。さらに、頭の動き、視線の移動、タスク構造の相関性(依存性)を明らかにすることを目的としました。 

オペレーターの注意パターンを分析することで、彼らが、得られた情報をどのように処理しているのか、異なる情報源の相対的な重要性を把握することができました。このデータは、SPEEDDプロジェクトで開発されたスクリーンデザインを評価するために、オペレーターの意思決定プロセスのモデルを開発する目的に使用される予定です。 

Eye tracking case study - University of Birmingham
We chose Tobii Glasses for field studies in control rooms because of its portability, ease of wear, and ease of use.
Dr. Neil Cooke, Dr. Sandra Starke, and Prof. Chris Baber, Dept. of Electronic, Electrical and Systems Engineering, University of Birmingham

方法 

この研究では、3人のオペレーターを対象に、「落下物」を解決するシミュレーションを行い、複数のディスプレイから情報を得る際に重要になる視覚情報をTobiiのウェアラブルアイトラッカーで定量化しました。 

Eye tracking case study - University of Birmingham

結果 

調査の結果、さまざまなワークフローや多様な視覚的情報収集に対応した管制室の設計が有益であることがわかりました。 

アイトラッキングを実施した結果、必要なタスクを完了するための単一のワークフローは存在せず、むしろ個人によって情報の見方や処理方法が異なることが明らかになりました。したがって、管制室の環境と手順によって複数の視覚的戦略をサポートすることが重要であることが示唆されました。 

研究者は、同じタスクを完了するために、各オペレーターが異なる情報源を好んでいることを発見しました。オペレーターの間でCCTVのモニタリングに違いがあり、その結果、視聴方法に好みが生じています。また、視線移動に対する頭部の動きの寄与は、被験者によって大きく異なりました。 

研究者は、社会ネットワーク分析という新しい分野のグラフ理論的分析を用いて、情報の流れを含む環境における注意行動を可視化し、測定するための新しい指標を提案しました。これらの注意のパターンを分析することで、さまざまな情報源の相対的な重要性と、オペレーターがそれらに対処する方法についての知見を得ることができました。 

アイトラッキングの結果は、交通管制室における意思決定のモデルの開発に役立つでしょう。また、研究者らは、将来的に新しい交通管制のためのインターフェースやオペレーション手順の設計にこのデータを利用する予定です。 

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    Tobii

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